MEMO♯056【カノン、頼むから静かにしてくれ 19】

  • 2018年06月05日

●あ、6月になってました。公演月です。あと2週間で芝居が始まってしまいますね。 「ステージナタリー」にも、公演情報を載せて頂けましたので。 ちょろっと読んで下さいね。

https://natalie.mu/stage/news/332790

こうやってメディアに取り上げて頂くと、 この公演が私の脳内でのみ行われる妄想でないと知れて良いです。 どうやら、やるそうです、この公演。

●鳥・蛇ともに毎日稽古はもりもりやっております。 今日は貴重な稽古休み、ですが、チョイチョイやることがありまして。 フと遠い目をしながら、稽古場でのあれこれを思い出しておりました。

●2日に【鳥篇】の台本が上がりまして、そして本日5日に【蛇篇】も完本しました。 鳥は初日の19日前。蛇は16日前。 まあ、スレスレですかね。 ちょっとダメか。 俳優に負担をかけてしまうのは毎度のことなんですけどね。

●いつもそうなんですけど、ラストシーンって、思ってもなかったセリフが出ますね。 【鳥篇】を書いていて、大迫さんと桃子さんのシーンで、ポンと出た。 それで芝居が分かった!と思いました。 大迫さんと桃子さんでないと、絶対に書けないセリフでした。

●そんで今日朝からずーっと 蛇篇のラストシーン、書き直してまして。 3ページに9時間くらいかかってしまいました。 今まだカッカしてますので、一旦寝て、起きてから見直して、決定稿にしょうと思います。 まー何にせよ、よく書けたもんです。 これが全く評価されなかったら、どーかしてんじゃないか?とか思いますが。 まあね。 書く人、演じる人、みーんなそう思ってるんでしょうね。 とっても凡庸な自分。 でもまあ、傑作です。鳥も蛇も。 俺だったらみたい。 俺が見たいと思うものは、世界にはとても少ないので 「僕が私が見たいものが全然ないわ」って人には面白いと思います。 「何見ても面白い!サイコー」っていう人もどうぞ。 いろんな面白さがあります。 デタラメもいいもんですよ。 筋の通ったデタラメをお見せします。よろしく。

●で、まあ今日5日のですね。 このあと、23時59分までが、お安い前売りチケットの受付〆切です。 宜しければね、お願いしますね。 私は少し、クールダウンして明日の稽古に備えます。 写真は、お願いすると気取ったポーズをとってくれる平川さんです。 チーズナンを片手にすまし顔です。それを母親のような慈愛に満ちた表情で見守る桃子さん。 その後、ナンとビールとカレーを頬張って恍惚としていました。 では。
(主筆)

MEMO♯057【カノン、頼むから静かにしてくれ 20】

  • 2019年06月20日


●前回のメモが、通し稽古が始まる直前で終わってました。 ちょっと作品のほうにソウルを込めすぎまして、雑文が書けませんでした。 いけませんね。 書き散らしてこその雑文ですからね。 喋るときと、書くとき以外はモノを考えられない私です。 書かなきゃ、パーです。

●えーと、そういうワケでして、本日、初日です。 【鳥篇】【蛇篇】ともに7回の通し稽古を経て、劇場入りしました。 スタッフワークのあまりのすばらしさに、小屋入り初日の17時頃には、俳優はやることなくなって帰してしまいました。 昨日も、【鳥篇】の舞台稽古とリハーサルで、【蛇篇】キャストは終日オフ。 今日はこれから【蛇篇】の舞台稽古をして、【鳥篇】の俳優は17時入り、19時半開演というスケジュール。 かつてこれほど余裕をもって準備できた事はありません。 昨年は、吉祥寺シアター、のり打ち、ですからね。 無謀です。 作品のことだけを考えることが出来る素晴らしい環境で芝居を仕上げることが出来ました。 昨晩の【鳥篇】リハーサルを観て、確信しましたが、傑作です。 今、これより面白いものを私は作れません。 本当です。 どうして書けたのか分からないセリフが幾つもあります。 すべて俳優が書かせてくれたものです。 今週、日本で一番面白い芝居をやっているのは架空畳です。 これがダメなら、ゴメンナサイ。 別の世界で、お互い生きていきましょう。

●不遜ですね。 あとできっと、謝ります。

●全ステージで、当日券をご用意しております。 是非、北千住の地下にお越しください。 では、また。
(主筆)

MEMO♯058【カノン、頼むから静かにしてくれ 21】

  • 2019年06月27日


●はい、公演終わりましたー。 日曜に終わりましたので、もう5日も前ですね。 いつだってあっという間です。 時間は容赦ない。 容赦のないとこが、いいとこですね。 時間、ニクい奴です。 俺は何を言っているのか。

●【夜啼鳥篇】【土喰蛇篇】ともに、いい舞台でした。 評判も上々だったようです。 狭い小劇場の世界、それが本当に「上々」か「身内びいき」か判断するのは中々、難しいものですが。 1ステージを除いて、すべて客席にいましたが、客席が舞台に集中していく熱を確かに感じました。 【鳥】の初日は、ちょっと集中までに時間がかかったかな、という感じでしたが。 二篇とも、よく仕上がったと思います。 うーむ、自画自賛。 ま、あんまり評論家とか観に来てくれないですし。 自分で褒めても、許してやって下さい。 ハハハ。

●打ち上げで岩松が言ってたんですけどね。 音響の久郷さんのフェーダーがどこで上がるか、が俳優への信頼感の表れだ、と。 今回、【鳥篇】のクライマックスで田村さんが、平川さんを背負いながらセリフを喋る、結構ハードなシーンがあったんですけども。 田村さんがセリフを言う前に、音響のフェーダーがグンと上がった、と。 声量が覚束なければ、久郷さんはフェーダーを下げてくれるんです。 でも、俳優にはキツいそのシーンで、音を上げたのは、田村さんへの信頼だったって言うんですね。 本当にそう思いました。 江花さんのシーンも、岩松のシーンも、 架空畳の俳優たちが喋るときに久郷さんのフェーダーは一段階、上がっていました。 久郷さんはいつだって、舞台上の俳優と一緒に呼吸をしてくれます。 照明の渡辺さんも、オペ中に台本にメモを走らせ、翌日には俳優のミザンスに合わせて、 明かりの位置やシーンを修正してくれていました。 加えて金座の美術。 小川さんの衣装。 忙しいスケジュールの合間を縫って、写真を撮ってくれた松村。 架空畳のビジュアルのすべてを担ってくれているデザイナーのorangeくん。 小屋入りしてから何もしないでボーゼンと出来たのは、制作陣のおかげです。 永井、澤岡さん、柴山、どうもありがとう。

●芝居を作るっていうことが、ちょっとだけ分かってきた気がします。 台本書いて演出してるからってイバってますけどね。 小屋入りしてしまえば、私のやることは殆どありませんでした。 セリフも物語も、稽古場ですべて俳優に渡してしまいました。 ゲネプロを観て、あ~こういう芝居が観たかったな~とか思ってました。 未熟な部分は勿論、あります。 でもとにかく、俳優は素晴らしかった。

●【鳥】篇に関しては、2日目の夜のステージが最高だった。 実は一番、お客さんが少ない回だったんですけどね。 関係なかったです。 ミスもあったし、セリフも噛んでいたんですけど、でも素晴らしかった。 全員が、舞台の上で構築しようとしていたイメージがピタリと一致していて、うねって、観たことのない集中力でした。 再現性のない、いいステージだった。観れてよかったです。 みんな勿論、素晴らしかったんですけど、大迫さんの演技には身震いしました。 【蛇】篇は、皆すごく若いのにうまかった。 10代後半~20代前半とはとても思えないほど、達者です。 私が学生時代にやっていた芝居とは比べ物にならない完成度だと思いました。 きっと、あの頃の俳優も、皆、うまく才能があったのです。 戯曲が遅れ、演出の仕方など何も分からない、すべては私のせいだったのだと今では分かります。

●語り始めるとね、いろいろ止まらないんですけど。終わったあとにアレコレ言うのちょっとカッコ悪い。あっとう間に忘れたい。それもカッコつけですかね。 まーなんにせよ、いい芝居ができた、それも二本同時に。 よかった、良かった、てなもんです。

●次回の予定はまったく立っていません。 架空畳は劇団、と言ってますけど、ぜんぜん、なんか、ちゃんとした計画とか、プロモーションとか、ありません。 手弁当ですし。その場その場で、霊感を働かせて、えっちらおっちら、やっていきます。 ただ作りたい作品だけを作りたい。 その作品だけで繋がっていたい、というのが私のワガママです。 どうにかこうにか、退屈せずにやっていければ御の字です。 飽きれないで、たまには観に来て下さいね。 どーぞ、よろしく。 ではまた、次のメモでお会いしましょう。 それまでSNSなんていうアソビがまだ滅亡していなければ。 ばいばいびー。
(主筆)

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