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update 2024.11.28
Paperback studio × 架空畳
「Paperback Showcase」
VOL.4『√3人姉妹』
2024年11月28(木)~12月2日(月)
@Paperback Studio
チケット:2900円(事前精算)、3200円(当日精算)
作・演出:小野寺邦彦
出演:岩松毅 /金澤摩耶 /内柴楓 /小島あやめ /…+江花明里
※江花明里は、作中「ひとり芝居」での出演です。
NEWS
11-25 : 当日精算チケット受付/font>開始
11-06 : 公演スケジュール一部変更のお報せとお詫び
11-02 : チケット販売開始
11-02 : 公演情報 公開
コンセプト
Paperback Studioでの3ヶ月連続公演ラストとなる「VOL4」。さて何をしようかな?と考えました。ショーケース上演と銘打って、これまで短編のオムニバス上演、ヨソへ書いた作品の自身初演出、そして「量子探偵」新作…と、ゴチャゴチャやりたいことをやってきました。
一連の上演を貫くコンセプトとして、これまで架空畳で作ってきた芝居の総まくり、手の内をすべて出す…という考えがありました。
やってきたこと、やりたかったことはひとまずやれた。じゃあ、まだやってないことをやってみよう、そういうとてもシンプルな動機から発想したのが、この『√3人姉妹(ルートさんにんしまい)』です。
いつも通り、タイトルだけがパッと思い浮かびました。そして何となく、これはホラーなんじゃないか、と思ったのです。それもとても奇妙でねじくれた、ひょっとしたらホラーに見えないかも知れないホラー。
恐怖は主観的なものですから、コレが観る人すべてに「怖い」芝居かどうかは保証できません。ひょっとして、誰も怖がらないかも、それでも…。
少なくとも私はこの物語を「怖い」と思う。そしてもし、あなたもそう思ってくれるのであれば、私たちはいま、このようなものにこそ恐怖を感じる…その認識の発見と模索こそ愉悦です。笑いながら同時に凍り付くような恐怖だってある。
或いは、花に水をやるように穏やかな気持ちのまま震えるような恐怖。その気持ちと気持ちの間にある形容しがたい感情。
これまでのまとめ、ではなく、これまで手を付けてこなかった領域への無遠慮で迂闊な探索です。ちょっと今までの架空畳とは気色が違う、かも?いや、まるで同じかもしれませんが…。取り合えず面白く、ヘンで、歪んだ、たぶんホラー。私たちのホラーです。是非ご覧下さい。
千歳烏山でお待ちしております。
(小野寺邦彦)
ものがたり
私たち姉妹は永い間、この家の中でずっと二人きりだった。ただ、二人でいること。それ以外には何もなかった。必要がなかった。例えば…私たちは二人とも、名前を持ってはいなかった。
朝、目覚める。目覚めて先に「姉さん」と声をかけられた方が姉。声をかけた方が妹。それで良かった。充分だった。
ところが…今朝、困ったことが起きた。三人目が現れたのだ。私以外のもう一人、以外にさらに、一人。私たちには名前が必要になってしまった。朝、目覚めてリセットされる関係以外、何一つ手にしてはいけない。そのルールが歪んでしまった、思えばそれが始まりだった。
地上から人がいなくなってしまって随分経つ、らしい。私はこの家から出たことがないから本当のことは分からない。とにかく、誰もいなくなったはずの世界から新しい家族がやって来て、私たちは三人姉妹になった。さて私は、私たちは、明日の朝も目覚めることが出来るだろうか?
そして目覚めた私は…一体、どんな名前で呼ばれるのだろう?
スケジュール