太陽は凍る薔薇

WORKS

太陽は凍る薔薇-絶対零度の解剖学-

2017.7.14_16







かくしごと

神話の時代。
天におわしますパエトーンは、太陽の操作を誤り、その燃えたぎる円球を、地表に落としてしまった。 神々は代わりの太陽を探し、やがて一人のヒトの左胸に、それを見つけた。

現代。
そこにひとつの身体があった。 それは物言わず、身動きもとれない、一般に『脳死』と呼ばれる状態にあった。 その身体はいま、液体窒素によって凍らされたメスによって開かれようとしている。 その左胸から、未だ燃え滾る太陽を取り出すために。

だが、一つだけ問題があった。 その身体には、麻酔が効かなかった。 脳死と診断された身体は、つまり、眠る事のない死体だった。 現在、脳死状態の身体から臓器を取り出す際には『全身麻酔の実施が義務付けられている』。 そう、

『死体を開腹する際には、全身麻酔の実施が義務付けられている』

だが、手術は行われる。 眠りは、羊の力を使い、呪術的に施される。 果たして取り出された左胸の太陽ーそれは真っ赤に熟れたまま、絶対零度に封印された、一房のトマトだった。




illustration : 町田メロメ
2017年
7月14日(金)~ 16日(日)

シアターモリエール

作・演出
小野寺邦彦

出演
岩松毅/田村友紀/江花実里/澤岡史織/細井メリハ/江花明里/佛淵和哉/佐藤美樹/佐藤拓実/大浦孝明/佐々木千枝子/林大輔/高木碧/片腹年彦/黒澤風太/門田友希/鈴木まりこ


衣装: 小川優太



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