WORKS

上演作品


▼インテグラルの踵は錆びない


‐13人姉妹のモスクワ‐

上演記録告知ページ /▼稽古メモ

illustration:あけたらしろめ

架空畳 第18回公演 マグカルシアター参加


「インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐



2020年10月15日(木)~18日(日)全7回
@神奈川県立青少年センタースタジオHIKARI
前売:3000円 /当日:3200円 /高校生以下:1000円(席数限定)
FLYER

作・演出:小野寺邦彦
出演:岩松毅 /江花実里 / 大浦孝明 / 本田真唯 / 江花明里 / 平川千晶 / 木村友哉 / 金澤摩耶 / 長井健一 / 嶋谷佳恵 / 廣川千紘 / こばやし帝国 / 三枝ゆきの / 馬淵悠美 / 樋口双葉 / 武田紗保 / 杉山愛実 / 伊澤文彦

スケジュール

2020年10月
15日(木)①19時半
16日(金)②15時半 / ③19時半
17日(土)④14時 / ⑤18時
18日(日)⑥13時 / ⑦17時


・全て開演時間です。受付は開演の60分前より、開場は30分前より開始致します。
・上演時間は、105分(途中10分間の休憩こみ)を予定しています。

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アクセス


横浜市西区紅葉ケ丘9番地の1
TEL: 045-263-4400 (代表)

・JR根岸線「桜木町駅」北改札西口から徒歩約8分
・横浜市営地下鉄線「桜木町駅」から徒歩約10分
・京浜急行線「日ノ出町駅」から徒歩約13分
・みなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩約20分

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チケット

  • 前売 3000円 事前入金
    販売期間
    ・クレジットカード支払い→8月1日~10月14日
    ・口座振り込み→8月1日~10月9日


    • 当日精算 3200円 事前予約、当日支払い
      販売期間
      ・10月10日~公演前日


      • 高校生以下 1000円 事前予約、当日支払い
        販売期間
        ・8月1日~10月9日 
        ※当日、学生証の提示をお願い致します。
        ※各ステージ6席まで、1組2名様まで の限定販売となります。


        • ※全席指定となります。
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    ものがたり



    雨の夜。 私は、モスクワを目指す13人の姉妹と出会った。 だが彼女たちは、出国を許されない。 なぜなら、ワンダース+ワンの姉妹たちは、 それぞれ身体の一部を欠き、それを電子機械で補っていたのだ。 現在、彼女たちの身分は「人」ではなく「機械」に分類される。 機械に許されるのは、出国ではなく出荷だが、その順番は来世紀まで埋まっている。

    私は13人姉妹の出国を叶えるため、彼女たちを手術したラボを訪れた。 だが執刀医のドクターは既に亡く、私を出迎えたのは、忘れ形見の一人娘だった。 彼女は私に言った。 生前、父の行った悪行により、私には呪いがかかっているのです。 呪い?私は聞いた。それはどんな? 性欲です。私は物凄く性欲が強いのです。これは性欲というより、暴力です。

    私は二つの依頼を一度に請け負うことになった。 13人姉妹をモスクワへ出国させること。 執刀医の娘に掛かった呪いを解き、その性欲を常人並に戻すこと。 私は、カルバート・ブコウスキ。 頼まれごとを引き受ける、幻覚症状持ちの詩人である。

    お察しの通り、この物語は、幾つかの時代、場所、人物を行き来します。 そしてやはりあなたが思う通り、やがて物語は一つになる。 手あかのついた手法です。 ただ、こう考えて頂きたい。 物語は、はじめから一つであり、すべての時間は現在なのだ、と。 ご安心下さい。この物語に、トラウマは出てきません。 現在を、過去の答え合わせにはしない。 描くのは、すべて、いま、この瞬間、目の前に現れる、ドラマです。



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    出演




    岩松毅

    江花実里

    大浦孝明

    本田真唯

    江花明里

    平川千晶

    木村友哉

    金澤摩耶

    長井健一

    嶋谷佳恵

    廣川千紘

    こばやし帝国

    三枝ゆきの

    馬淵悠美

    樋口双葉

    武田紗保

    杉山愛実

    伊澤文彦

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    ご挨拶



    スマホ一つで生中継を配信できるアプリ、というのを若い知人が見せてくれました。現在配信中の若い男女の顔が、画面いっぱいに並びます。表示された「ライブ中」の人数を示すカウンターの桁は、千を越えていました。こんなにも多くの人が、今「何か」を喋っている。でも、何を喋っているのかは画面をタップしなくても分かりました。何も喋ってはいない。そこには何の内容もないに決まっているのです。ただ、喋りたいという欲求だけがある。それは、私が十代、二十代だった頃と全く同じです。いや、ひょっとしたら、今も。そしてそれは2千年前も、3千年後も、同じなのだと思います。古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、一日中道に立って、通行人を捕まえては何時間も自分の話を聞かせたのです。毎日です。現代と古代の違いは、その欲望を可視化するメディアの有無だけです。この欲望が消えない限り、「遊び」は滅びないと思います。「遊び」は暇つぶしだからです。暇、とは時間のあるなしとは関係がありません。私たちは、眠る時間もないほど忙殺されながら、同時にたまらなく暇なのです。これまでも、これからも、ずっと。

    子供の頃から、私は自分だけのメディアを持ちたいと思っていて、壁新聞を作ったりドキュメンタリー映画を撮ったりしました。とは言っても内容は嘘ばかりです。10メートルのトカゲが出たとか、近所の魚屋は商店街を支配しようとしているとか、そういうデタラメを載せました。メディアという器が欲しいだけで、そこにどんなソフトを盛るかはまるで問題では無かった。その後、すぐにインターネットが現れ、夢中になり、そして失望に変わりました。ポータルサイトやブログやSNS、各種交通整理がなされ、息苦しい紋切り型の「ただのもう一つの社会」が現れただけでした。どんなに自由で革新的な遊び場にも、すぐルールが出来て、後から乗り込んできた見知らぬ人たちの管理する場所に代わってしまう。それは私が欲しかったメディアとはかけ離れたものでした。

    私は考えを改めました。メディアという器が、本質的に秩序を求める性質を持つのならば、その内部を、思いきりいびつなソフトで溢れさせてやろうと。そして芝居を始めました。芝居が一番旧くて時代遅れで発展性のない、型にハマりきったメディアだと思ったのです。そこに沢山のいびつな「嘘」を流し込んで遊ぼうと思いました。でも、やってみると、嘘は嘘で難しい。「器」の力は強力です。そこに流し込まれれば、どれだけ出鱈目に思えたソフトも、すっぽりと型にハマってしまう。内部から器の形を変容させるような強烈な「嘘」。それはまだ、産み出せていません。ただ、あの「生中継」を配信し続ける若者たちのように、「それをしたい」と望む意志があるだけです。

    取り合えずの見た目を、革新的っぽかったり、斬新っぽかったり、それっぽく作ることは難しくありません。 若者は、取り合えず「今までにないものを」と鼻息荒く取り掛かるものです。 でも、私はそれが刺激的とは思えません。「今までにないもの」という「これまでに履いて捨てるほどある」考えを持つこと自体が退屈だと思うようになりました。 まあ、保守化、ということなのかもしれない。 保守とは、ある旧態依然として変わらないままのシステムには、それが変わってはいけない必然性が何かあるからではないのか?という問いです。 新しいと目されるものが、結果、概ね凡庸ですぐ飽きられ、消費されてしまうのは、そこに必然となる「問い」が含まれていないからです。 後ろ指を刺される覚悟で、そこに踏ん張りたい。性急に「答え」のバリエーションをまき散らす風潮にあって、持続した「問い」を持ち続けたい。 愚かな気もしますが、本当に、そう思います。

    シンギュラリティ、の時代がくると言います。AIが人間の知能を越え、自学自習を始めるというのです。けれど、自己完結の中にあるAIには倫理観がありません。 倫理は、「教育」によって「後天的に」しか学ぶことは出来ないからです。時代、場所、文化によってもそれは変わります。 果たして、プログラムの中から倫理は生成されるのでしょうか?今回はこの「問い」をテコに、芝居を書き始めようと思います。 カミュの「カリギュラ」を例に出すまでもなく、「なぜ人を殺してはいけないのか?」それは我々が、獣からヒトに代わったとき以来、提出され続けている「物語」の 原型だと思います。こんなに「保守的で」「代り映えのしない」テーマから、それがなぜ変わってはいけないのか?という「問い」を取り出し「面白く興味深いおはなし」に仕立てようと思います。器を歪ませる意思を持ったおはなしを。

    それがうまくいくのかどうかは、わかりません。とりあえず目の前のアプリをタップしてみる若者と同じく、その意志だけがあれば、まだしばらく芝居に飽きることはないと思っています。 大層な口をききました。大言壮語の大口が得意技です。どうぞヨロシク。

    架空畳
    小野寺邦彦


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    スタッフ


    音響:久郷清 / 照明:中佐真梨香(空間企画) / 美術:金座 / 舞台監督:にしわきまさと / 衣装:小川優太 / デザイン:orange21 / 写真:松村事務所 / イラスト:あけたらしろめ / 演出助手:田村友紀 / 制作:永井友梨、澤岡史織、柴山花奈子 / 協力:革命アイドル暴走ちゃん、劇団肋骨蜜柑同好会 / 主催:神奈川県・架空畳



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    「予習」動画



    当公演の参照元である古典・有名作品を、小野寺が「極私的に」解説する【予習】シリーズ(毎週水曜更新)。


    #10 カミュ「シーシェポスの神話」


    #09 チャールズ・ブコウスキ―「詩人と女たち」


    #08 オスカー・ワイルド「サロメ」


    #07 大友克洋「AKIRA」


    #06 ボッカチオ「デカメロン」


    #05 ブレヒト「三文オペラ」


    #04 シェイクスピア「マクベス」


    #03_トルストイ「復活」


    #02_チェーホフ「三人姉妹」


    #01_カミュ「カリギュラ」

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    グッズ販売



    公演グッズの受注販売を行います。下記フォームよりお申込みください。

    ・料金は前払いにて、お願い致します。
    ・ご注文受付期間:10月10日~10月25日
    ・発送予定日:11月10日ころ




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    感染症対策

    お客様へのお願い

    9月08日追加
    ・換気のため、上演中に10分間の休憩時間を設けます。それに伴い、上演時間を休憩含めた105分(予定)に変更致します。
    ・最前列(A列)のお客様の中で希望される方には、フェイスシールドをお渡し致しますので、上演中にご着用下さい。
    ・上演中、出演者は透明のマウスシールドを着用して演技致します。
    ・舞台最前面から、客席最前列(A列)までは4メートルの距離を設けます。

    8月19日追加
    ・スタンド花の設置、出演者等への差し入れやプレゼント(花束やお手紙などを含む)のお預かりはご遠慮させていただきます。
    ・お手荷物やお召し物の一時預かりを中止いたします。お手荷物は少なめにしてご来場ください。
    ・チケットを購入された方のご同行者様、ご予約なしの当日券のお客様は、受付で来場者カードにお名前、緊急連絡先のご記入をお願いいたします。
    ・混雑緩和のため、受付開始時間を開演30分前から開演60分前へと変更致します。開場時間は、変わらず開演30分前です。
    ・終演後のご退場時は座席ブロックごとにご案内いたしますので、ご協力をお願いいたします。

    ・会場内では、観劇中を含めマスクのご着用をお願い致します。お持ちでない方はご用意がありますので、お声がけ下さい。
    ・当日、会場で検温をいたします。37.5℃以上の発熱のある方には代金を返金の上、ご観劇を見合わせて頂きます。
    ・受付では、前方のお客様と最低1メートルの間隔を空けてお並び頂きます。
    ・ご入場前に手指消毒をお願いします。
    ・会場でのご歓談は極力、お控えください。
    ・終演後の出演者によるお見送り、面会は行いません。



    劇場での対策

    ・劇場ロビー、座席、ドアノブ、手すり、楽屋、トイレ等の定期的な清拭消毒と最大限の換気を行う。
    ・ハンドソープ・ペーパータオル・消毒液の設置。
    ・キャスト・スタッフの手指消毒。
    ・スタッフのマスク・手袋等の着用。
    ・座席同士の間隔を設け、常設時の半分の席数とする。

    ご不便、ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。



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    当日パンフレット



    ・感染症対策の必要から、当日パンフレットをデータにて配布致します。こちらより、ご覧ください。



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