座・高円寺 冬の劇場24 日本劇作家協会プログラム◎カンテン「The Foundations」Final.参加
Φ(ファイ)をこころに、一、二と数えよ 2025年 1月22(水)、24(金)、25(土)
架空畳、2025年は座・高円寺1に2回登場します。その第一弾として、年明け1月末、昨年に引き続き6団体競演のフェス・カンテン「The Foundations」に参加します。
@座・高円寺1
チケット:一般¥4,000 / 学生¥3,000 / 通し券¥9,000
作・演出:小野寺邦彦
出演:岩松毅 / 江花明里 / 黒田和宏 / 関口空子 / 岸鮫子 / 時岡怜美 / 大友みのり / シマザキタツヒコ / 小谷真一 / 松崎貴浩
詳細→カンテン「The Foundations」公式
個性の異なる6つの上演団体がそれぞれ60分の時間を使って、舞台美術セットなし・小道具も最小限でというレギュレーションのもと、更地の座・高円寺1で競演致します。まさか2回出る、とは思わなかった「カンテン」。同じことをしても仕方なし…と・思い切って、オーディションで出逢った架空畳初出演の俳優をメインに座組を作りました。俳優と出逢い、遊ぶことこそ本懐です。逸脱と愉悦を軸に旋回する、素晴らしい遊びをご覧に入れます。
1プログラムで2団体、全3プログラムでの上演です。架空畳は『劇団だるめしあん』さまとの同プログラムに登場です。是非、ご期待ください。
そしてこの後に続く、5月の架空畳本公演もどうぞよろしく。
(架空畳・小野寺邦彦)
NEWS
2025
01-25 : 「予習/復習」動画公開
01-21 : 俳優紹介音声動画公開
01-17 : 予告動画公開
01-14 : コンセプトにレギュレーション追加
01-13 : 出演者プロフィール更新
01-09 : ものがたり公開
2024
11-10 : 出演者ビジュアル公開
10-15 : チケット販売開始
10-15 : 公演情報 公開
予告ダイジェスト
俳優紹介space
予習/復習
コンセプト
ロシア語には「青」を表わす言葉がない。
人類初の有人宇宙飛行士・ユーリ・ガガーリンの言葉として伝わる「地球は青かった」も、他言語に翻訳された文句である。彼は実際にはこう言ったのだ。
「宙は暗く、地球は明るかった」、と。
ある文字をキーボードでタイプする。それを他言語に移した際、翻訳できないスペルは文字化けを起こし、例えば次のような記号に置き換えられる。
ΦΦΦ
ファイ。それは空白の記号。言葉を奪い、奪った数を数えるその指を折る者は、誰か。
レギュレーション追加!
架空畳は昨年に引き続き、「カンテン」二度目の出演となります。広大な座・高円寺1の劇場を、舞台美術一切なしの更地で使用、小道具も最小限(架空畳は未使用)、作品と俳優を極めてNUDEな状況でお見せする…という運営側から課せられたレギュレーションも昨年と全く同様です。
ですが…この話を受けた際、非常に生意気ながら…正直「ヌルい」!と思ってしまいました。昨年と全く同じ『縛り』は既に我々にとって『縛り』ではない。というわけで、何も言われてないのに、勝手に!自分たち限定で『縛り』を追加することにしました。それは【昨年と全く同じ衣装を使う】というものです。
架空畳の衣装を作って下さっている小川優太さんは毎回、深く作品のコンセプトを慮り、俳優ひとりひとりの役に解釈を加えて素晴らしい仕事をして下さっています。それは作品に彩を添える衣装という機能を越えて、それ自体で
ひとつの作品として成立しています。
昨年は、美術なし、のレギュレーションに対して、それでは衣装を美術として扱うというコンセプトで制作して頂き、その成果は素晴らしいものでした。で、あるが故に、ひとつの芝居が終れば用ナシとなってしまうには余りに勿体ない。何度でも舞台上に現れていいはずだ、という想いがひとつ。
もうひとつは、今回、10名の俳優のうち8名をオーディションで選んだ公演であるということ。それによって、今回は架空畳、というより「カンテン」という公演の為の特別な座組であることを初めから意識して製作してきました。60分の上演時間やセットなしの『縛り』も含め、「カンテン」専用の作品。と、なれば衣装も昨年と同じとすることで「カンテン」用の『制服』であると考えました。
それは同時に小川さんの衣装から『機能』のくびきを外すことでもあります。
今年の作品には、美術も小道具も、そして(役を彩る『機能』としての)衣装すら、我々にはありません。ただ物語と俳優だけがいる。
「カンテン」のコンセプトに、よりエッジに迫るため、レギュレーションを追加します(くどいですけど、勝手に)。
というわけで、是非、物語と俳優を見に来て下さい。
デカい口叩いたバカヤロがどれ程のものか、高みの見物を是非、お願い致します。
架空畳 小野寺邦彦
スケジュール
アクセス
チケット
ものがたり
その日、目が覚めると娘は消えていた。
幼い頃から根を張り続けた子供部屋はカラッポで、替りに家の外壁に残された…『Φ』の文字。それが私には、鍵穴に見えた。娘からのメッセージだ。この鍵穴を抜けて、逢いに来いというメッセージ。
男親にとって、国境よりも高いハードルを越えて娘の部屋に立ち入った私の目に映ったもの。それは学習机の前に置き去りにされた、一台のデスクトップ・デバイスだった。オモチャに毛の生えた程度の容量しかもたないソレは、娘がまだ大分幼かった頃にねだられて、手に入れたリユース品をさらに修理して与えたものだ。キーボードにうっすらと積もったホコリを払うつもりで撫でた人差し指が偶然、電源タップを撫でたその瞬間、
デバイスの電源が入った。
そこに残されていたのは娘の日記。私の知らない、娘の物語だった。
…娘の名前は、ユーリ・ハビット。「ハビット」とは…身に沁みついて拭えない悪癖のことだ。
父は、作家でした。
どんなジャンルの作家だったのか、何を書いていたのか?分かりません。著作のアーカイブは残っています。言うまでもなく、デジタル・データです。けれどそれを今、読むことは出来ない。と言うより、読み解ける者が存在しない。そう、父は言語統一時代以前の作家だったのです。
父の著作をネット翻訳にかけると、出てきた文字は…『Φ』。コトバを別のコトバに移したとき、置き換える言葉が見つからなかった際に現れる文字化けの記号。父が何を書いていたのか?どうしても知りたかった私は、その著作の一部をネットに放流し、読める人を探し…そして見つけた。今は消えてしまった国、その母国語の中でも、さらにローカルな「なまり」まじりで書かれた父の著作。そこには私の知らない父と・そして私の物語があった。
…父の名前はユージン・ハビット。「ハビット」とは…そのヒト自身も気付いていない美点のこと。