佐藤辰海演劇祭 かながわ短編演劇アワード
illustration:ナツキいぬコ
佐藤辰海演劇祭 参加作品
「天使も踏むを恐れるエチカ」
2019年12月27(金)~29(日)
@はなまる学習会王子小劇場
前売・当日3000円/学割1000円
作・演出:小野寺邦彦
出演:岩松毅/江花実里/田村友紀/澤岡史織/永井友梨/佐々木諒
詳細→佐藤辰海演劇祭・公式
スケジュール
・全て開演時間です。受付開始・開場とも開演の30分前。
・架空畳は①27(金)14時~/②28(土)19時~/③29(日)14時~ の3ステージに出演。
・上演時間は、一団体につき30分以内。
アクセス
〒114-0002 東京都北区王子1-14-4 地下1F
TEL: 03-3911-8259/ロビー直通番号: 03-3911-8142(公演期間中のみ)
王子駅より徒歩5分。 JR京浜東北線は「北口」、東京メトロ南北線は「4番出口」から北本通りを直進。
「鑑定倶楽部」というお店の地下です。
チケット
※当日券のみ。高校生以下。当日学生証のご提示をお願いいたします。
※本公演では土曜昼の公演に限り託児サービスがあります。予約が必要ですので下記にご連絡ください。
イベント託児・マザーズ0120-788-222
0才・1才2,000円 2才以上1,000円
物語
今と同じ時代、今と同じ時間、今と同じ場所。
独身者用のアパートに、一人の男が越してくる。
挨拶の為に訪ねた隣人の部屋、
そこに潜んでいたものは…。
アラビアの海に浮かぶ部屋。
天井のシミュラクラ。
嗅ぎまわる犬。
宇宙船の帰還。
そして寝酒に濡れた隣人。
共通の話題はたった一つ。
たった一つの、小さな殺人事件。
「こう考えてみたらどうかな? この部屋の、このドア一枚が、たまたま二つの国の国境線上にあったってこと。」
信じて貰えるだろうか?こんなに大きなHORROR話。
キャスト
岩松毅
江花実里
田村友紀
澤岡史織
永井友梨
佐々木諒
ご挨拶
劇団・guizillen(ギジレン)が王子小劇場をバーン!と一月借り切って行う興行『ギジレン5さい』の中で催される企画
『佐藤辰海演劇祭』。8団体が、30分の芝居を持ち寄っての連続上演を行うとのこと。その末席に混ぜて頂くことになりました。
架空畳は2007年12月に二人芝居として上演した『BIG HORROR-大法螺‐』を、99%ばかり改稿して上演致します。
タイトルも変えました。
物語もシチュエーションも、俳優も文体も、まるで違います。
そこまで変えてしまったら、新作でいいんじゃない?と思いますが
今、手元にまるで(本当にまるで)残っていない初演時の戯曲の、
けれどたった一つだけ正確に覚えているあるセリフが捨てがたく、
その一言だけを残し、そこから逆算してこの芝居を書くことにしました。
初演時は、正直・苦しかった。
今まで芝居を作ってきた中で、最も脱稿が遅れた作品でした。
完本は、小屋入り前日。翌日からの仕込み中、劇場の駐車場でずーっと稽古をしていました。
でも我々は楽しんでいました。
出演した岩松も、山本駿も、参ったな~と言いながら、ニヤニヤしながらなんとなくノンキでした。
劇団はじめて1年足らず。もともと特にビジョンなどもなく、ダラダラっと始めた芝居でした。
まあよく言って能天気、悪く言って無責任だったのだと思います(どっちも悪いか)。
どうして、書くことにあんなに苦しんだのか、まるで覚えていません。
表面上ノンキして見せていつつ、内心「見たことのないような芝居を書こう!」などと息巻いていたのかもしれません。
それもいい。それだって楽しい。でも近頃私が考えていることは違います。
どこかで見たことがあるけど、それが何かは指し示すことが難しい、
そんな芝居になればいいなと思って書いているのです。そう思ってんだから、きっと、そうなるんでしょう。
見たい景色も変わってゆきます。それが、面白い。
架空畳の俳優たちと、稽古場でたくさん遊んで、もっていきますんでよろしく。30分で世界が反転する、企みに満ちた傑作をお見せします。
大口も叩くだけならタダです。その辺は、まるで変ってません。ハハハ。
年末。王子で、お会いしましょう。
架空畳
小野寺邦彦