Paperback Showcase Vol.03『量子探偵 かくも永きプロレゴメナ』
運命の乱数調整、「確率の捨て場」として選んだ鉄火場の競馬場で出逢った男が持ち込んだ依頼。
それはある人物を襲った「未来の記憶喪失」その原因を解明することだった。
そのヒトには過去と未来の記憶が同時に存在し、そして男は、未来の記憶を分けて貰うことで財産を築いてきた。
だが今、過去も未来も全ての記憶を失ってしまったその被害者に逢うため、
全財産と引き換えたはずれ馬券を入場切符に、ウロボロスの環状列車・山手線に乗り込んだ私が出会ったのは
シャボンの表面張力に身を縮こまらせた座敷童だった。
私は量子探偵、ウォーターヘッド・順子・ノイマン。 今、ポケットには1セントの小銭も持ち合わせてはいない。
