illustration:ナツキいぬコ
架空畳FLIPSIDE#02
「うつくしき子どもたち」
7月21(木)~24(日)
吉祥寺櫂スタジオ
6作品同時連続再演
そんなわけで、フリップサイドの2回目は再演です。それもナンと6作品の同時連続再演。公演日数はたったの4日間。劇場は架空畳史上最も狭い、櫂スタジオ。
ん?ん?なぜこんなことになってしまったのでしょう。なぜだ。
初めは、短編集をやろうと思ったのです。やったことがないので。けれど困ったことに、アイディアに短編や長編という区別は無いのです。物語が終わるのは、終わりの時間が来るからに過ぎず、本当は幕が降りた後もオハナシは続いているのです。だからすべての短編は長編の一部だし、あらゆる長編も、もっと長い物語の一部なのです。本当です。で、あるならば…まあ、こういう形でも良いわけです。器にあった大きさにあつらえて作るよりも、明らかに収まらないサイズのモノをぎゅうぎゅうに収めた方が、無茶でいいではないですか。どうですか。
ただ一つの問題は、過去公演の台本が一切、残っていないことです。ホントに、まったく、キレイなまでにナイのです、ないものは、ない。ないんだから、仕方ないのです。webページ上にアーカイブされている僅かばかりのセリフを手掛かりに、もう一度、イチから書き直しています。全て、きっと、必ず、ぜんぜん違うハナシになるでしょう。誤解と錯誤に満ち満ちた作品群が現れるのでしょう。再演といいながら、ヒドいことです。それでいいと、今は思います。
もともとは、それぞれ90?120分くらいの長さだったものを、無理の上にも無理を重ねてムリムリと、一本30分にしてしまいました。6本で都合、180分。それを3本でワンセット、90分ずつの『誤読編』と『曲解編』、2本に編んで上演致します。お急ぎの方は、どちから一本で結構です。折角なら、二本見てくださいね。ね。
やりたいことは唯一つ、やったことのないことです。
1秒間に1万語。あのころ、無我夢中で書き飛ばしたセリフたち。不出来で、いびつで、デタラメな、世界イチうつくしい子どもたち。灰を被ってもう一度、吉祥寺でお待ちしております。
あなたを、待っています。
架空畳
小野寺邦彦